|   過換気症候群(過呼吸症候群)  
  原因は?    ・何らかの誘因により、呼吸中枢(脳内にある)が過剰に刺激され、呼吸を多くしすぎた為に、血中の二酸化炭  素が減りすぎて、さらに呼吸が乱れ、苦しくなるというものです。過呼吸状態になると、実際には血中の酸素  濃度は普通以上に高くなりますが、本人は空気が吸い込めないような苦しさを強く感じます。 
  ・もともと何事に対してでも不安になりやすい性格の人に生じやすいようですが、性格に関係なく過剰な心理的   ストレスや、運動でも誘発されることがあります。 
      症状は?    ・突然あるいは徐々に呼吸が苦しくなり、次第に不安がつのり、両手指や口の辺りがしびれた感覚に襲われま す。  
・胸の苦しさや死の恐怖などを伴い、ひどい場合はテタニー症状といって、指が痙攣したようになります。  ・意識がもうろうとする場合もあり、この折りには激しい過呼吸の相と無呼吸の相が交互に繰り返す状態になっ たりします。  
・放置すると発作は数10分以上続きますが、決して死ぬことや後遺症を残すことは無く、どんな強い発作でも   時間とともに必ず軽快していきます。   
    治療は?    ・ペーパーバック法といって、紙袋を口にあて、吐いた空気を再度吸い込むという状況を繰り返し、血中の二酸 化炭素濃度をあげる方法が一般的です。ただし、この場合、空気が漏れないように紙袋を口に当てすぎると  
 酸素不足になってしまいますから、少し隙間は作っておきます。  ・突然の過呼吸発作の為に不安になって病院に駆け込んでくるような人には不安が強すぎるたにめペーパー  バック法だけでは発作がなかなか治りません。この様な場合には、精神安定剤の注射が非常によく効きます  
 。しかし注射ばかりに頼っていては、自力で発作を抑えるコツがつかめないという事態になってしまいます。  ・どんな心身症にも言えることですが、病気について、主治医から詳しい説明を受け、とりあえずこの病態につ いて知識をしっかり身に付ける事が大切です。発作用にいつも精神安定剤の頓服を携帯するという手段など 様々な安心方法を身に付ければ、次第に過呼吸発作が怖いものでなくなっくるでしょう。  
・発作自体に慣れてしまえば、しめたものです。慣れは心の余裕をもたらし、次回の発作はきっと軽いものに変 化していくはずです。  ・発作の原因となるような日常生活での不満、不安、怒り、というものが何となく自覚できるならば、更にその点 を整理し、明確にしていくことが治療に有利であり、カウンセリングなどで、それらを言語化し発散していくよう  
 な治療がいいでしょう。  ・若い女性が患者である場合、周りが過剰に心配し反応すると、本人が余計に心をかき乱れ症状が悪化するこ   とさえあります。発作がおきても周囲の人はなるべく冷静を装いましょう。これも治療の重要なポイントです。 
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